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♡オーガズムへの誘い(いざない)♡

夫婦のエッチ体験を告白しています。

廃屋の菜津美(6)

虫食いの茣蓙に菜津美が立っている。つい先ほどまで這いつくばって男の足を舐めしゃぶり思う存分味わっていたとは思えない凛とした美しい立ち姿であった。「菜津美の立ち姿が自慢なんです」「きっとお気に召していただけると思いますよ」男の脳裏に菜津美の夫松波の言葉が甦っていた。卑屈な様子で上目遣いに喋る松波の心を思い遣る。卑屈になるのも無理はなかった。彼もまた菜津美同様正真正銘のマゾヒストだったのである。そして...

廃屋の菜津美(5)

男が見下ろしている。その視線の先には平伏の貴婦人菜津美がいた。淫欲の媚びを売っているのだろう。虫食いの茣蓙に額を擦り付けながら土下座に乗せた尻が微かに蠢いていた。蠢く尻を見下ろしながら男が菜津美の頭に素足を乗せ軽く力を込めた。「ご、ご主人様、ありがとうございます」絞り出すような声で菜津美が謝意を述べる。「脱ぎなさい」男が改めて命令を繰り返す。「はい、喜んでご命令のままに」「ただ、その前にその前に、...

廃屋の菜津美(4)

「脱ぎなさい」男の命令である。静かだが予断を許さぬ命令であった。菜津美の頬にポッと欲情の色が射す。ぞくっとするほどに喘ぎを溜めた口元からははしたなくも桃色の舌先をチロチロと覗かせている。まるで廃屋に棲む淫獣が同化したかのようなそれほどの淫猥さであった。「パシッ!」男が左頬を強く打つ。「牝豚になるには早過ぎる」鋭く静かな視線を放ちながらの欲情を咎める言葉だった。「パシッ!」右頬も打ちつける。打たれた...

廃屋の菜津美(3)

蟻の這い回るコンクリートの床に構わず薄汚れた茣蓙を敷く。「まあ!」二畳分の広さが予想を超えていたのか菜津美が小さく驚きの声を上げた。他愛もないことに驚くのも清楚さを装う術なのか。男が促し菜津美を茣蓙の中央に立たせる。そして、ゆっくりと周りながらその全身をことさら時間をかけて見つめ続けていた。それだけでも倒錯を覚えるのか華奢な肢体が微かに揺れている。向日葵柄のワンピース青ざめた白い頬、薄紅の唇、豊か...

廃屋の菜津美(2)

廃屋の床に薄汚れた茣蓙が無造作に置かれていた。男が手に取り菜津美を振り返る。すると、暗がりを見つめていた白い顔がゆっくりと男の方に移ろいながら強い眼差しで見つめ返してきた。ともすれば男の心を覗きこむかのような視線である。視線の中に人妻の淫靡な意思が宿っていることを敢えて隠そうともしない。菜津美の瞳に魅入られながら男が茣蓙の埃を軽く払う。その気配にひび割れたコンクリート床の隙間から得体の知れない虫螻...